みなさん、こんにちは♪
今回は、「カントレ」について。
「カントレ」ってなんでしょう?
コア屋さん以外では、
あまり耳にしない言葉かと思います。
っが!しかし。
このカントレ、コア屋さんには
非常に大切な機能なのです。
コア削孔作業では、
鉄筋を切断する必要が多々あります。
コンクリート構造物は、
当然ながらコンクリートと鉄筋からできているので
開口を作ったり、解体時の切断等でも
鉄筋を切る必要があります。
ダイヤモンドを使用しているので、
基本的にはなんでも切れるのですが、
鉄筋の腹にちょうどかかってしまうと、
残る躯体と、コアの部分が切り離され、
鉄筋の離れ小島ができてしまいます。
図で描くとこういう感じです。
こうなると、離れ小島の鉄筋が、
刃の回転方向へネジられて、
コンクリートとビットのわずかな隙間に
噛み込んでしまいます。
時々コアマシンがグギ―グギ―と
悲鳴を上げているのを聞いた事がある方も
いらっしゃると思いますが、
鉄筋が噛むとは、この様な状況なのです。
このままでは、コアは離れ小島の押し圧で
回らなくなってしまうので、
私たちコア屋にとっては、
この噛み込みが最大のピンチと言えます。
そこで考案されたのが、救世主「カントレ」
赤枠の中のチップに、段差が無いのが見えますか?
周りのチップには、
チューブとのつなぎ目に影が見えて、
段になっているのがわかると思いますが、
カントレ部だけ内側が削られ
先ほど噛み込んだ離れ小島のところまで、
スパナを使って刃を逆回転させ合わせると、
あら不思議。
いとも簡単に刃が抜き取れます♪
ただし、離れ小島は躯体の中に残っているので、
そのまま削孔すると、
また噛み込んでしまう可能性があります。
手間はかかりますが、
一度中のコアを折り取って離れ小島も取り出してから、
再削孔という流れがセオリーとなります。
どうでしたか?「カントレ」
このカントレのおかげで、
コア抜きの難易度がすごく下がりました。
あ~そうそう。名前の由来は、
簡単に取れるから「カントレ」です。
以上、ダイプロのコア(核心)Vol.2
救世主「カントレ」でしたッ!
わたる